お口と全身の健康を学べるWebマガジン

年2回(6月、11月)公開予定 発行:日本歯科医師会
 協力:サンスター

お口と体の健康対策 いつ?どうやる?お口を守るセルフケアのタイムスケジュール

歯と口のセルフケアは、実はタイミングがとても重要です。理想をいえば、毎回の食事はもちろん、間食や砂糖入りの飲み物を含めて飲食をするたびに歯をみがくのがベスト。しかし、現実的には難しいでしょう。そこで、忙しい中でも効果的なセルフケアのタイミングとコツをご紹介します。

むし歯の成り立ちと
ステファンカーブ

むし歯の成り立ちと関係が深いものに、ステファンカーブがあります。ステファンカーブとは、口の中のpH(ピーエイチ)の変化を表したグラフです。むし歯を防ぐには適切にケアをして、口の中を中性に保つことが大切です。

朝のケア
~寝起きに口が臭うのはなぜ?~

起きたとき、口の臭いやネバつきが気になったことはありませんか? 原因のひとつは口の中の乾燥です。就寝時は副交感神経が優位になり、唾液量が減少。唾液による保護作用が働きにくくなり、細菌が増えて臭いやネバつきが発生します。気になるなら朝食を食べる前にうがいをして菌を吐き出しましょう。洗口液は食事の味に影響する場合があるため、水のうがいで大丈夫。食後はハブラシとハミガキでみがきます。

昼のケア
~うがいだけでも効果あり~

ハブラシでみがくのが理想ですが、職場に歯みがきをする場所がない場合や、一人だけ歯みがきをするのに抵抗がある人もいると思います。そんなときは、うがいをして食べかすを減らすだけでも効果的です。細菌は食べかすを餌にして繁殖し、プラーク(歯垢)を作ります。歯垢の中にはむし歯や歯周病の原因となる細菌も含まれているため、食べかすが残っているとむし歯や歯周病のリスクが高まることに……。うがいをすることで、酸性に偏った口の中がより早く中性に戻ります。毎日のちょっとしたケアが、歯と口の健康を守ることにつながります。

夜のケア
~1日の中でいちばん大事!~

就寝前のセルフケアは、1日の中で最も重要。就寝中は唾液が減って菌が繁殖しやすくなるからです。唾液には脱灰(歯の成分であるカルシウムやリンが溶け出すこと)した歯の表面を修復する再石灰化作用などがあり、歯科の世界では「魔法の水」と呼ばれることもあるほど。口を守ってくれる唾液の減少に備えて、就寝前に細菌を減らしておくことが大切です。

日中はうがいで済ませた人も、就寝前はハブラシを必ず使いましょう。細菌は排水溝のヌメリのように歯に張り付いていることもあるため、物理的に除去する必要があります。さらに、歯間ブラシやデンタルフロスを併用するのがおすすめです。ハブラシでブラッシングをしてから歯間ブラシなどを使い、洗口液で殺菌してから就寝するのがベスト。しっかりとセルフケアをした次の日は、起床時のネバつきや口臭が改善されているのを感じられると思います。

自分に合った
セルフケアを知るには?

これまで紹介した方法は一般論で、理想のセルフケアは人によって異なります。ぜひ一度、歯科医院に相談して自分にぴったりな方法を教えてもらいましょう。歯科医院は歯が痛くなったら行くというイメージがあるかもしれませんが、歯みがき指導も行っています。むし歯や歯周病になる前に、かかりつけの歯科医院を受診して歯みがき指導などを受けましょう。「歯みがきの仕方を教えてほしい」「むし歯がないか確認したい」などと予約を取るとスムーズです。

セルフケアと
プロフェッショナルケアの
両輪で、むし歯・歯周病を防ごう

歯と口の健康を守るには、毎日のセルフケアに加えて定期的な歯科医院でのプロフェッショナルケアが必要です。セルフケアでは落とせない汚れをきれいにしてもらえば、むし歯・歯周病のリスクをおさえられます。もし発症しても、定期的に通院していれば早期発見・早期治療が可能になり、重症化を防ぐことができます。

歯科医院に通う最適な頻度は歯と口の状態によってそれぞれ異なります。年に2回程度で十分な人もいれば、3カ月ごとがよい人もいます。ぜひかかりつけの歯科医院を持って、自分に合ったプロフェッショナルケアを定期的に受けるようにしてみてください。

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