第3回 生きがいを支える国民歯科会議

生きがいを支える国民歯科会議

開催日:平成22年7月6日(火)
場所:日本歯科医師会7階会議室
出席者: 秋元秀俊、浅井文和、阿南 久、猪谷千春、伊藤玄二郎、伊藤澄一、大島伸一、田中一哉、辻 哲夫、濱本英輔、藤重貞慶、星 旦二、前野一雄、松井宏夫、松尾幸造、松田喬和、松谷満子、山口 建、渡辺俊介(欠席:笹川陽平、福原義春)
〈内部委員〉江藤一洋、金澤紀子、中尾 眞、中田郁平、中西茂昭、中原 泉
〈オブザーバー〉飯嶋 理、上原裕之、髙嶺明彦、田沼敦子、富野 晃
(50音順、敬称略)

大島 それでは時間になりましたので、第3回の生きがいを支える国民歯科会議を始めさせていただきたいと思います。
 最初に、前回、この会議はいったいだれに向けて提言をするのかというようなところで多少混乱しましたが、ある意味でそのことがかえって問題をはっきりさせる結果となりました。大久保会長とも十分に相談させていただきました。まず、その点も含めて大久保会長から最初にご挨拶をいただきたいと思います。よろしくお願いします。

大久保 あらためまして、皆様方、こんにちは。第3回の生きがいを支える国民歯科会議を開催しましたところ、公私ともにご多忙な委員の皆様方にご出席を賜りまして、心から御礼を申し上げます。
 前にも少し申し上げましたが、最初は、これだけのご多忙な皆様方は、たぶんそれぞれの会議で半分くらいご出席いただければそれでよしとするというふうに考えておりました。3回ともご都合の悪い方はごく少数、皆様、事前にお電話をいただくなど、大変恐縮しています。
 私は、土日はほぼ全日、全国を回って会員に対してお話をしていますが、その中でもこの会議の模様を伝えると皆本当に喜んでいます。決してプレッシャーをかけるわけではありませんが、この会議に対する期待が大変大きいと感じています。よろしくお願い申し上げます。
 いま大島先生からお話がありましたように、どういうかたちで私どもがお受けをするのか、再度確認させていただきます。(国民会議の)提言というかたちでお受けして、それを日本歯科医師会として具体的に政策としてどう展開していくかを考えていきたいと基本的に思っています。どうかよろしくお願いいたします。

大島 ありがとうございました。それでは、前回から今日に至るまでのだいたいの経過等につきまして、事務局から報告をお願いします。

小谷田 若干の説明をさせていただきます。いま会長の挨拶にもありましたが、前回の会議を踏まえて今回の第3回会議に向けて準備を進めて参りました。何回かの打ち合わせ会を開催し、作業の手順を検討してきました。
 本日の会議のあとにシンポジウムを開催することを考えています。このことについては、後ほどお話が出ると思いますが、国民歯科会議の提言を是非ともそれまでにまとめる必要があります。前回、若干混乱がありましたので、座長提言を大幅に修正した案をつくり直しました。これを加筆訂正いただくために、委員の皆様方にアンケート調査をさせていただきました。
 その結果、本日の資料のとおり意見が上がってきています。本日の会議は、このことも含めて十分にご議論いただければと考えています。時間につきましては6時までの予定ですので、よろしくお願いいたします。

大島 ありがとうございました。提言案の主文はお手元に届いているかと思いますが、少なくともこれは今日のうちにまとめあげたいと思います。全体の提言のかたちをどうするかについても、あとで少しお話しさせていただきながらご意見を伺って、全体のかたちを決めていきたいと考えています。よろしくお願いしたいと思います。
 今日は3回目ですが、8020推進財団の猪谷名誉会長、そして東京大学の辻教授が初めて出席されています。これまでの事情がおわかりにならないところがあるかもわかりませんが、最初にお話を伺いたいと思います。猪谷会長から、最初にお話しいただければと思います。

猪谷 歯の健康のことにはまったく疎く、しかも私はいま79歳で20本残っていないのですが、それでもおこがましく8020の名誉会長をさせていただいている猪谷です。どうぞよろしくお願いいたします。
 過去1回目、2回目は、私がボランティアをしている国際オリンピック委員会の会議とたまたまぶつかってしまって出席できませんでしたことをお詫び申し上げたいと思います。
 今日、お集まりの皆様方には、日ごろから健康な歯、歯の衛生を通じて国民の幸せを実現させるため日々社会に奉仕されていることに対して、深く敬意を表させていただきたいと思います。
 いただいた資料によりますと、今後、「治す医療」から「支える医療」の先導役を積極的に担われていく決意を社会に示されることは、大変有意義なことであると思います。現在、う蝕あるいは歯周病などに悩まされている方が、世の中にはたくさんいらっしゃいます。実は私もその一人です。
 幸せであるべき人生が歯の故障によって脅かされていることは、みんなが知っていることです。昔に比べれば随分よくなったと思いますが、いまだにそういう方が多い。これはただ単に歯が悪くて困るというだけではなくて、食べものも喉を通らなくなる。そんなことから健康を脅かされます。
 健康を脅かされるということは、万病の元ということになるのだと思います。後に少し申し上げますが、スポーツ選手にとっても歯が悪いことは致命的です。特に私どもは最後に力を振り絞るときに奥歯を噛み締めることから、弱い歯では最後の力が出ないということになります。そういった意味で、歯の悪い方々に皆様が積極的に今後、手を差し延べていただくことは大変すばらしいことで、有意義であると考えます。
 それにしても私が素人的に考えるのは、歯が悪くなってから治療して支援していくのは少し遅きに失するのではないか。歯が悪くなる前に何とか健康な歯をつくることが必要なのではないかと感じます。
 私がむし歯で本当に痛い思いをしたお話をさせていただきますと、1958年に遡りますが、私はオーストリアで世界選手権に出場しました。大会の2日前からむし歯が痛み始めまして、2日間、ほとんど飲まず食わずで大会に出場しなければなりませんでした。でもその結果、私は3位になりました。もしもあのとき私が普段から歯の治療をしていてむし歯というものに悩まされていなかったらば、あるいは優勝していたかもしれない。これほど痛い経験はありません。(笑)
 先ほど少し申し上げたように、数年前、8020の名誉会長を仰せつかったわけですが、スポーツ選手というのは言い訳にはなりませんが、私も歯が悪いのです。入れ歯に頼っています。いま非常に不幸を感じているのは、こうやってお話をしていてもとにかく発音しにくい。クリアにお話をすることができない。
 皆さんがおいしい、おいしいと言いながら食事をされていても、おそらく私はその味覚の半分も味わえていないのではないかと思います。それから、常に口が臭いのではないか、息が臭いのではないかという心配は、人前に出るといつも感じています。そのようにして、私自身、歯の健康を怠ったということで、いまでも苦労しています。
 先ほど予防対策をしたほうがいいのではないかと申し上げましたが、どうしたらいいか。皆さん、いまでもやっていらっしゃるように教育しかないと思いますが、この教育は非常に難しい。いくら教育しても中々受け入れてもらえない。特に人間は非常に弱い動物です。たとえばタバコを吸うと肺癌になる恐れがあるとわかっていても、タバコを吸う方がたくさんいる。
 あるいはアルコールは体によくないと言われても、泥酔される方がいる。スポーツではドーピングがいけないとあれほど言われていても、ドーピングに手を出す。それが人間だと思います。歯の場合は外に見えないものですから、痛くなるまでだれも何とかしようとしない。
 どんな対処をしたらいいかと考えますときに、まったく素人考えですが、この間、6月4日にテレビを見ていたら、上野動物園で、動物を使っていかに歯が大事かを放送されていました。これを見たら大変おもしろくて、ほかの方々に聞いてみたら子どもたちも非常に興味を持った。こういうことが非常に効果的かなと思います。
 いまはおしゃれの時代で、おしゃれの一つとして白い歯、健康な歯が大事だということを若者に教えることも予防対策の一つか。あるいは、著名人を使って歯の大使、強い歯のアンバサダーというような方々を使ってPRするのも一つの方法かなと考えたりしていました。
 いずれにしても、これは素人の私が考えることです。ここにいらっしゃる皆様方のお考えになることだと思いますが、今後、歯で悩める多くの方々のために、ぜひ皆様、よろしくお願いしたいと思います。

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